樹脂は弾む?それとも弾まない?
樹脂材料が地面に落ちたら、どこまで跳ね返るでしょうか?
ゴムボールのように高く弾む樹脂もあれば、粘土のように地面に張り付いて、ほとんど弾まない樹脂もあります。これは、樹脂材料によって素材の持つ「弾みやすさ(弾性)」が全く異なってくるからです。
よく弾む樹脂で生まれたぴょんぴょんカエル実験
「弾性」は樹脂の性質を示す重要な要素の一つです。弾性が高いほど、加えられた力を効率よく跳ね返す「バネ」のような性質が強くなります。
動画では、弾性の高い「弾む樹脂」でカエルの模型を作り、床にぶつかった時の様子を撮影しました。
高弾性樹脂製のカエルが、床にぶつかると、勢い良く跳ね返る様子がわかります。高い反発力を持っていることが一目瞭然です。
バネからクッションまで、自由自在の樹脂設計
樹脂材料は、「バネ」(弾性)と「クッション」(粘性)の性質を併せ持っている特徴的な材料で、設計を変えることによってそれらをコントロールすることができます。
弾性(バネ):力を跳ね返す。
粘性(クッション):力を受け止め、熱に変えて逃がす。
動画のカエルのように反発する「高弾性」だけでなく、反対に力をほとんど跳ね返さず、衝撃を受け止める「低反発・振動吸収性」の高い樹脂も設計可能です。
自動車の快適性を守る、低反発樹脂の役割
特に「低反発・振動吸収性」に優れる樹脂は、私たちの社会の安全と快適性を支える「縁の下の力持ち」として活躍しています。
例えば、自動車は、路面からの細かい振動、エンジンの強力な振動など、常に様々な揺れにさらされています。これらの振動は乗り心地を悪くするだけでなく、部品の劣化も早めます。
ここで、振動吸収性の高い樹脂が防振材として活躍します。この樹脂は、自動車の様々な部品に使われ、揺れのエネルギーを効果的に吸収し、熱として逃がします。
これにより、ドライバーの疲労軽減や、部品の長寿命化が実現し、安全で快適な移動を可能にしているのです。