ふわもこ誕生!発泡する樹脂で作る羊の実験

スポンジのように固まる樹脂

私たちが手に取る発泡スチロールや、お菓子のスポンジケーキのように、ふわふわと軽い素材は、素材の中にたくさんの空気を含んでいます。

サンユレックの樹脂製品は、いろいろな化学反応を利用して固まりますが、中には「気体が発生する反応」と「固まる反応」が同時に進み、スポンジになるものがあります。これが軽くてユニークな構造を持つ「発泡性樹脂」です。

ふわもこ誕生!発泡する樹脂で作る羊の実験

この発泡性樹脂を使って、ふわふわの羊毛をまとった羊を作ってみました。

動画では、少量の液体樹脂が、化学反応を起こしながらどんどん発泡していき、羊の体をもこもことした泡で覆ってしまう様子が見て取れます。発泡した樹脂は中身がスカスカなのでとても軽く、また、膨らみながら固まるため、複雑な形にもしっかりと密着できます。

なぜ、樹脂が膨らむの?

この不思議な現象の秘密は、樹脂に加えられた「発泡剤」という特別な成分にあります。

樹脂を混ぜたり、熱を加えたりすると、発泡剤が反応して二酸化炭素などの「気体」を発生させます。気体が発生すると同時に、樹脂そのものも固まる(硬化する)反応が同時に進みます。発生した気体が樹脂の外に逃げる前に、樹脂が固まってしまうため、その気体を閉じ込めたまま、スポンジのようなたくさんの小さな泡を持つ構造が完成するのです。

この「気体発生」と「硬化」の絶妙なタイミングをコントロールすることが、発泡樹脂を作る上での最も重要な技術です。

膨らむ樹脂で上下水道の水漏れを解決!

この樹脂の「膨らみながら固まる力」と「隙間を埋める力」は、私たちの生活インフラの維持に貢献しています。特に活躍しているのが、上下水道などの漏水箇所の止水です。
地中に埋められた水道管などにひび割れや隙間ができると、そこから水が漏れ出してしまいます。
このような漏水箇所に発泡樹脂を流し込むと、樹脂が硬化中に膨らんで、漏水箇所を内部からしっかりと埋めながら固まります。
この隙間を確実にふさぐ力により、優れた止水効果を発揮し、大切な水がムダになるのを防ぎ、私たちの生活を支える社会インフラの安全を守っているのです。