燃えない樹脂の恐竜が火に挑む実験

燃えやすい樹脂を燃えにくい樹脂に

樹脂の多くは石油由来の原料から作られていて、成分のほとんどが炭素や水素からなる有機物であるため、とても燃えやすい性質を持っています。

樹脂材料は身の回りの家電製品にも多く使われているので、もし家電製品が不具合を起こして発火してしまった場合、燃え広がる可能性があり大変危険です。

そうならないよう、私たちの生活に使われている樹脂には、炎にさらされても燃えにくい性質を持つように改良されたものが多く使用されています。これが「難燃性樹脂」です。

燃えない樹脂の恐竜が火に挑む

この実験で使うのは、私たちの安全を守る「難燃性樹脂」です。
この難燃性樹脂で恐竜の模型を作り、ガスバーナーの強い炎で直接炙る実験をしました。

動画では、恐竜に火をつけても燃え広がって形を失うことはなく、炎を遠ざけるとすぐに火が消えていることがわかります。難燃性樹脂は、火災の原因となる電子部品の発火から、製品や建物を守る最終防壁として働いているのです。

火災を防ぐ! 燃え広がらない樹脂

難燃性樹脂には、炎にさらされると表面に炭のような「バリア層」を作ったり、燃焼を抑制する成分を発生させたりする特別な工夫がされています。これにより、炎が樹脂の内部に伝わるのを防ぎ、火が広がるのを食い止めることができます。
この難燃性樹脂は、火災の原因になりやすい家電製品の内部や、自動車の内部など、あらゆる場所で使われていて、私たちの安全な暮らしに不可欠なものになっています。万が一の時にも火が周りに燃え広がるのを防ぐことで、人命と財産を火災の危険から守っているのです。